La cucina calabrese
2016/07/14
先日の続き、“カラブリア州”の名物、
“ンドゥイヤ”のお話。
日本ではお馴染みの唐辛子。
韓国料理やインド・タイなど、
私達にとってはかなり身近な食材も、
イタリアでは珍しく、
ペンネ・アッラビアータと言ったって、
イタリア人みんなが(特に北の人)
食べるわけではありません。
だから、カラブリアの辛い料理は、
本当にカラブリアならではなんです。

唐辛子といえば中南米が原産で、コロンブスの新大陸発見と共にヨーロッパに伝わったという歴史がありますが、たまたまここカラブリアは土壌や気候が原産地に似ていて、(野菜や穀物などの耕作に適していない土地を持つ)カラブリアは、簡単に作れる唐辛子を熱狂的に迎え入れたのだそうです。それは、貧乏なゆえに単調な料理しか作れなかったカラブリア人にとって、神の恵みであり、その上、食材の保存にも使えるからという。

そこで、伝統的に伝わるのが、この,N’DUJA ンドゥイヤ。
膀胱に包まれた真っ赤なペースト。
これもサラミの一種。
唐辛子のペーストと、
豚バラの脂身に赤味、塩などを、
練り混ぜて、豚の腸に詰め、
一か月以上、熟成させ作られます。

カラブリアでも標高700mある、
モンテポーロという町が発祥の地。
昔、この土地の地主が冬の時期、
サラミをたくさん作っていて、
その後、捨てられる豚の皮や脂、
筋や内臓にくず肉を集めた使用人が、
それらを細かく刻んで、
味付けに唐辛子をたっぷり入れて、
膀胱に詰め熟成させ、
みんなで分け合ったのが始まり。
というお話。
だから、“貧乏人のサラミ”
とも言われているんだそう。

しかし、これが辛いけど美味しんです。
先日のようにパスタのソースはもちろんですが、ンドゥイヤを温めて、カナッペにしても。
辛いのが特別好きじゃなくても、
口の中で豚の風味がいっぱい広がって、
また食べたくなる美味しさです。
地元では、
卵に混ぜて焼いたり、
揚げたジャガイモに合わせるそうです。
イタリアでも、いろんなイタリアがあります。
今回はカラブリア州。
ぜひ、お楽しみください!
皆様のご来店、心よりお待ちしております!
クッチーナのアラカルトメニューはこちらへどうぞ!

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