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● ‘17 シチリア東部の旅 −32− – Ristorante CUCINA

Sicilia-est -32-
2018/05/04
‐東シチリア周遊 11‐
『 カルタジローネ 』
シラクーサ滞在中、
‘日帰り4か所、弾丸巡りツアー’から、
一つ目、カルタジローネのご紹介。
前回はこちら

陶器の町、カルタジローネは、
シラクーサから車で1時間半。町への入口は、
Via roma、ローマ通りから始まります。
旧市街地の中心は、
標高600mの丘の上。
高台の町の中へと進みます。
左に、
緑豊富なイギリス式の
市民庭園が見えてきます。
見所はここからスタート。

それは、陶器の装飾がされ、
いろんな絵柄が描かれた壺が並ぶ、
庭園沿いの遊歩道の壁。

庭の隣には、州立陶器博物館。
その表は、一面陶器のタイル張り。
もう少し進めばサン・フランチェスコ橋と呼ばれる、

橋の欄干にもタイルの装飾。

この橋は、丘と丘を繋ぐ為、
17世紀前半に建てられたもの。
橋を渡れば、旧市街地。
ここまで来ただけでも、
“陶器の町”というのを、
しっかり感じます。
さらに、イタリアというより、
アラブの香りを感じます。

それも、そのはず。
9世紀〜11世紀の間、
イスラム・アラブの支配を
受けていたシチリアです。
ここカルタジローネは、
そのアラブ人の拠点となり、
城も築かれた地。
その名残があちこちに残っているのです。

さて、もう少しローマ通りを歩くと、ウンベルト広場に着きます。
その左側に建つのが、青いドームが印象的な、
カルタジローネの大聖堂、
サン・ジュリアーノ教会。

建物は16〜17世紀、
ファサードは20世紀初頭のものですが、
カルタジローネも同じように、
1693年の大地震に遭い、
バロック様式で再建された町。
世界遺産の、
『 ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の町々 』
に登録されている町の一つです。

天気のいい午前10時半。
木陰で椅子に座って、何することもなく、
お喋りで時を楽しんでいる男衆。
ここにもいました。
そして、カルタジローネを象徴する
場所、サンタ・マリア・モンテ大階段。
(手前の工事で迫力がありませんが)
通称‘スカーラ’と呼ばれる、
高台に向かった142段の大階段です。
私達が訪れたのは、去年の5月。
4月〜5月の間、
この階段に花が飾られ、
とても素敵な風景に出会えます。

さらに凄いのは、階段1段ごとに、
タイルが貼られてること。
それも、絵柄は全部違います。

花や植物、人もあれば、
動物などなど。

この階段、一部は、
エトナ山の溶岩でできていて、
もとは、1606年に、
上の旧市街地と下の新市街地を
繋ぐために造られたんだとか。
その後、第二次世界大戦で壊れ、
1844年に整備され142段となり、
1954年にタイルが貼られたそうです。
最近の話といえ、中には、
1000年前に作られたタイルが
使われているそうで、
なんとも歴史を感じます。

登り切れば、
古くは大聖堂だった、
サンタ・マリア・デル・モンテ教会の前。
そして、振り返って、さらに素晴らしい絶景を
見ることができるでしょう。
“カルタジローネ”という町の名前は、
もともとアラビラ語で、
「 花瓶の花 」という言葉から
きているのだとか。
アラブ人の支配されていた時代、
アラブ人によって、
“マイオリカ”=マヨルカ焼きが
伝えられました。
そして、
ここからイタリア中に広まったという、
カルタジローネは、
マヨルカ焼き発祥の地なのです。
マヨルカ焼きの伝統的な色使いは、
「 青・緑・黄 」の3色。
今では、その基本も残しながら、
新しい色合いが広がり、
素敵な作品が売られています。
それは、スカーラの階段の脇に並ぶ、
ショップや工房で。
店の軒先には、
古くから伝わるシチリアの
‘ポルタ・フォルトゥーナ(幸運を運ぶもの)’の
松ぼっくりの置物や壺。

シチリアの象徴、太陽に、

顔の鉢のデザイン。
これもよぉく見るマヨルカ焼きの作品ですが、
基本は男性。
作られるようになったのには、
(ここでは書きませんが)
怖〜い伝説が伝わるようです。

所狭しと並べられた
作品たち。

割れ物ですので、
お土産には気をつけましょう。

松ぼっくりに、カッレット、
小鉢に、お菓子の型、
そして、シチリアの地図。
こんな素敵な焼き物を見つけてきました。
海のない小さな町、
カルタジローネ。
歴史に触れる素敵な旅が
できることでしょう。
次回もお楽しみに〜!

も宜しく!
クッチーナのアラカルトメニューはこちらへどうぞ!

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