La cucina Toscana
2017/09/15
Crostini misti クロスティーニ・ミスティ。
クロスティーノは、カナッペ(フランス語)の
イタリア版です。
焼いたパンにペーストなどをのせ、
前菜として頂くお料理。
パン料理といえば、
‘ブルクケッタ’ともよく聞きますが、
こちらは炭火で焼いたパンを使い、
ニンニクを擦り込むことが基本。
一方、クロスティーノは、
薄く切ったパンを、かりっと焼いて、
具材をのせることが基本。
と、一般的な説明です。
トスカーナ以外に、
マルケやウンブリア州などイタリア中部で、
よく見かけるメニューです。
それは、ミスト(いろんな種類)になってたり、
トマトだけだったり、
前菜の盛り合わせに入っていたり。
美味しいパンがあって、
美味しいオリーブオイルがあって、
美味しい食材がある。
共通した地方ならではです。
今回は、天然酵母で、
自家製の「 トスカーナパン 」を作り、
5種のクロスティーニをご紹介します。
①“鶏レバーのペースト”。
②“カンネッリーニのウチェレット風”。
『 豆野郎 』と他州からあだ名がつくほどの、
豆好きな町です。
カンネッリーニ=白いんげん豆の、
セージ入りトマト煮込みです。
③“ラルド・ディ・コロンナータ”。
州の北西地方、
カッラーラはコロンナータ村の名産、
豚の背脂。
ラルド=背脂を、
塩とスパイスで漬け込み、
コンカ=大理石の中で熟成させた逸品。
脂を食べているというより生ハムのようで、
ローズマリーの香りと共に、
口の中でとろけるような
旨さを持っています。
④“カルチョッフィのペースト”。
アーティーチョークを
オリーヴオイルで合わせたペースト。
⑤“ポモドーリ・セミ・セッキ”
トスカーナ産セミドライトマトの
オイル漬け、ケッパー風味。
さて、この白いトスカーナパン=
イタリア語で”パーネ・トスカーノ”と言いますが、
実は、塩味のないパンなのです。
それも、
水・小麦粉・酵母だけで作られる
伝統パンで、私達には、
あまり馴染みのない味なしパンですが、
これが、トスカーナ産のハムやチーズ、
(少し濃いめと言われる)この地方の料理に、
とてもよく合うのです。
しかし、なぜ塩が無いパンが作られたのか…。
それは、中世の時代、
塩に多額の税金が課せられ、
倹約家だった(らしい)トスカーナ人は、
塩抜きパンでそれを切り抜けたからとか。
はたまた、
フィレンツェ人とピサ人で起きていた戦いの中、
海の町ピサの港に入ってきた塩は、
フィレンツェ人に高価に売りつけられ、
塩が買えなくなってしまったからだとか。
それが、
いつしかパンによる伝統料理も生まれ、
トスカーナには欠かせない食材の一つと
なりました。
トスカーナはローマの北、
花の都フィレンツェのある町です。
皆さまのご来店を、
心よりお待ちしております!!!
クッチーナのアラカルトメニューもどうぞ!
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