La cucina Emiliana
2018/03/23
エミリア地方特産のチーズのお話(その二)。
パルミジャーノ・レッジャーノチーズについて。
PARMIGIANO REGGIANO
イタリアのチーズの王様と称され、
パルマ、レッジョ・エミリア、モデナ、ボローニャ西側、
ポー河右岸辺りで、
今でも伝統的方法で、
一つずつ手作業で作られる、
エミリア地方を代表するチーズ。
今回は、2004年に訪れた、
パルマのチーズ工房の写真を使って、
チーズ作りをご紹介いたします。
チーズ作りには、まず牛。
この工房では牛が飼われていましたが、
酪農家から買ったり、様々。
どちらにせよ、
美味しいチーズを作るために、
牧草や飼料からのこだわりは必須。
大きな銅鍋に、
前日の乳脂肪分を取り除いたミルクを、
朝絞りたての牛乳と合わせ、熱します。
(取り除いた脂肪分はバターなどに
加工されるということです。)
そこに、前日にできた乳清(ホエー)
*乳から乳脂肪分やカゼインなどを除いた水溶液
を加えます。
さらに、レンネットと呼ばれる、
`凝乳酵素’も加えて、
ミルクを凝固させていきます。
少しずつ、固まりだしたミルク(カード)を、
このスピーノという道具で撹拌しながらカット。
窯の中の温度を上げていき、
最終50℃近く。
カードが固まりとなり、
沈殿し始めます。
そして、こんな風にパルミジャーノの原型が
出来上がります。
そして、次は、塩水の中に。
随時ひっくり返しながら、
約25日間。
そして、塩のプールから出され、倉庫で乾燥、熟成が始められます。
時にはひっくり返されたり、
ブラッシングされたりと、
手入れされながら、
木の板の上で熟成です。
前回ご紹介したグラナ・パダーノは9か月、
パルミジャーノは最低12カ月とし、
後は、24カ月、36か月と
それぞれに熟成をかけ、
旨味成分を凝縮させた、
美味しいチーズへと作り上げます。
最後に、品質チェック。ハンマーでチーズをたたき、
中の状態をチェック。
細いスクリュー状の貼りを刺して、
生地を少量取り出し、
チーズの香り、質感、味をチェック。
これらの検査をクリアし、
最後に、パルミジャーノ・レッジャーノの
焼印を押され、商品となります。
(検査に通らなかったのは、
パルミジャーノのロゴを削り取られ、
名前が名乗れなくなるということです。)
昔は、借金の担保にも
なったという大事なチーズ。
倉庫には、たっくさんの宝が並んで、
圧巻でした。
よく見ると、パルミジャーノに白い斑点。
これが、アミノ酸の結晶。
美味しいチーズの証です。
バルサミコの風味と一緒にどうぞ!
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